ある人生相談 作家・車谷長吉さんの答えが面白い。 なぜ音楽家を選んだのか・・・

もうずいぶん前の記事である。
確か朝日新聞の <悩みのるつぼ> 切り抜いたので日付などわからない。
10年ほど前だっけ。

いつも不思議だった

ジャズミュージシャンは、優しく、穏やかな人がとても多い。
考え方も、偏らず、正義感にあふれている。
まじめで政治のこと・環境問題などにもとても詳しい。
賢くて、物事をよく考える人ばかりだ。就職してもきっと有能な社員になっただろう。

なぜなんだろう?

これを読んで、おー、そうだったのか、と納得。

切り抜いてとっておいた。
いまさらですが、紹介します。

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30代会社員の相談
・・・『妻が新興宗教に凝っています。
   大金をつぎ込んでいるとかお祈りばかりしていて生活にならないとまではいかないまでも、2人の小学生の子供に影響を及ぼしていることが心配でなりません。
   何のためにそうする必要があるのかと問いただしても、まともな答えが返ってくることもなく、口論となるくりかえしです。
   信仰の自由があることは知っていますが、信仰や宗教のことでもめることなく、家族で過ごしていく方法はありますか?』

というような相談

それに車谷さんはこう答える。(抜粋)

・・・『私の母親は、次々に新興宗教の教徒になり、それらすべての教団にお金をつぎ込むことによって、人生の苦悩を少しでも軽くしてもらおうとしていました。

   この世の大多数の人の一生は、苦悩の連続です。それに耐えて生きる以外に、生きる途はありません。
 
   耐えられない人は、自殺するか、精神を病むか、どちらかへ進んでいきます。
 
   大多数の新興宗教は「金取り」を目的としています。私の母などは、金を出すことによって、精神的には少し気が楽になっていたようです。つまり騙されて楽になっていたのです。

   この世に人間として生まれてきたことの不幸から、少しでも救われたいと思う人は、文学・芸術・哲学の道に進む以外に道はないのですが、この道に進むことは極めて困難なことです。

   まず貧乏に耐え、勉強をする決心が必要です。その決心は大部分の人にはできません。


   したがって手っ取り早くは、心境宗教以外に道はないのです。

   人間の本質は弱い、ということです。これを変えることはできません。』

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 人間の弱さを認め、この世に生まれてきたことの不幸から救われたいと思ったのだ。
 きっと直感的に。

 いやいや、ただ楽しいからだよ、とみんな言うでしょうね。

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