アルゲリッチを聴いた。みなとみらいホール 2022年11月17日
みなとみらいにアルゲリッチが来る!と、横浜市広報で、見てすぐチケットを購入。その時にはもう、数枚しか残っていなかった!あぶないあぶない。
S席は高くて手が出ないので、B席購入。3階の一番後ろ。上等上等。
みなとみらいホールは、1Fより、2Fのほうが音が良く届いてくる。きっと3Fもいいだろうと思ったら、やはり!遠いけどね。当然、オペラグラスを持参する。
1曲目は、モーツアルトの2台のピアノのためのソナタのD-dur。
速いパッセージは、ひっかくようなアルゲリッチのタッチ。腕の重さを最小限にして。おおおー!画像で見ているあのタッチだ。
ピアノはスタインウェイ。スタインウェーは、このタッチが生きる。鍵盤の戻りがはっきりとしているので、レガート奏法で速いパッセージは弾きにくいように私は思う。
アルゲリッチは、一音一音を開放し、飛ばしていく!輪郭ははっきりとしているのに、ふくよかだ。これこれ!感動して涙があふれる。
そして、ピアニシモがため息が出るほど美しい。とろけて消え入りそうなほどのppp・・・。
海老さんは、一音が固く四角張っていて重い。飛んでいかない。アルゲリッチの踊るような軽やかな音にかぶさるようで、気になった。また、3~4音のフレーズの時、必ず真ん中に力を込めて膨れるのも、耳障りだった。
双眼鏡でアルゲリッチの手元に焦点を合わせ、アルゲリッチに集中して聴く。
2曲目はラフマニノフ組曲第2番。
難しそうな曲。
2人がなかなか合わない。曲自体が、拍のなかをいろいろな連符で書かれているのかと思ったけど、改めて、他の人の演奏を聴くと、そうではない。整然としているではないか。あらあら。
フルコンを向かい合わせにして、向き合って演奏するのは、難しいだろうなあ、と思う。アルゲリッチとバレンボイムのデュオは隣り合わせのセッティングだった(Youtubeで。<追記>と思ったら勘違いでした。2台ではなく連弾でした。)。素晴らしく合致していたよ。セッティングのせいか。アルゲリッチの推進力と歌心について行くのが大変なのか。・・残念。この曲は難しそうだ、やはり。楽譜を手に入れてみようと思う。
休憩挟んで、
3曲目は、ルトスワフスキのパガニーニの主題による変奏曲。
お二人とも、パワー全開!!迫力があって、良かった。がんがん行く。
4曲目は、ラベルのマ・メール・ロア。これは連弾。
やはり、アルゲリッチのppのやさしさ。でも決してべたべたしない。さらっと、ふわっと、しずか。
1つ目が終わって、アルゲリッチがなにやら、海老さんに話している。そしたら、2つ目からは、サスティンペダルをアルゲリッチが踏んでいる。1つ目で気になった濁りがまったく無くなった。普通連弾の時、低音部を担当する2ndがペダルを担当するのだが。ペダリングも神業なのだ。
他の曲も足元を見ていると、ソフトペダルをかなり多用している。サスティンも細かく多用しているが、浅く踏んでいるようだ。私も、ソフトペダルを多用し、サスティンは細かく浅く踏む。一緒だ一緒だ!と喜ぶ。
アルゲリッチが協奏曲やデュオ・弦楽4重奏などを弾くとき、指揮者がいても指揮者を超えて全体を動かす場面がある。アルゲリッチの音楽のうねりがオケに伝わり、全体がアルゲリッチの音の動きに反応していく。
今回の海老さんとのデュオも、ここで初めてそれが機能したようだ。やはりピアノの位置的にキャッチしにくかったのか。
海老さんの音が変わった。すぐそばでアルゲリッチの徹底的に柔らかく且つ魂の込められたpp。そしてアルゲリッチの滑らかでパワフルな推進力に委ね始めた。そうでなくっちゃ!
最後は、2台ピアノに戻って、ラベルのラ・ヴァルス。
これこそ、揺れるワルツをどう合わせるかが聴きどころと思うが、素晴らしかった! 溜めと、水が岩の間をするすると流れていくような自然落下のエネルギー、見事でしたー。体が動く。ずっと涙が止まらない。
アンコールのバッハ。音楽の神に、ホール全体が感謝している。アルゲリッチはミューズ!
モーツアルトの連弾のD-dur。これも仲間と良く弾いたおなじみの曲。
軽快なアルゲリッチのタッチは、冴え冴えしている。海老さんのタッチもずいぶん変わったと感じる。
止まない拍手に迎えられ何度も、カーテンコール。最後はアルゲリッチも客席も、手を振って、名残惜しいが、客電が上がってしまった。
コンサートが終わって、静かな興奮に包まれた喜びの中、前のうちからは自転車で5分だった。久々のみなとみらいの海に行き、余韻を楽しんだ。熱帯夜の夜、少しの海風を楽しみに来たり、スズメやイソヒヨドリに会いに来たりした懐かしい場所。
海から桜木町まで、ゆっくり歩いて、帰った。
今も、まだ、感動は消えない。
アルゲリッチに会えてよかったー。
聴けて良かったー。
S席は高くて手が出ないので、B席購入。3階の一番後ろ。上等上等。
みなとみらいホールは、1Fより、2Fのほうが音が良く届いてくる。きっと3Fもいいだろうと思ったら、やはり!遠いけどね。当然、オペラグラスを持参する。
1曲目は、モーツアルトの2台のピアノのためのソナタのD-dur。
速いパッセージは、ひっかくようなアルゲリッチのタッチ。腕の重さを最小限にして。おおおー!画像で見ているあのタッチだ。
ピアノはスタインウェイ。スタインウェーは、このタッチが生きる。鍵盤の戻りがはっきりとしているので、レガート奏法で速いパッセージは弾きにくいように私は思う。
アルゲリッチは、一音一音を開放し、飛ばしていく!輪郭ははっきりとしているのに、ふくよかだ。これこれ!感動して涙があふれる。
そして、ピアニシモがため息が出るほど美しい。とろけて消え入りそうなほどのppp・・・。
海老さんは、一音が固く四角張っていて重い。飛んでいかない。アルゲリッチの踊るような軽やかな音にかぶさるようで、気になった。また、3~4音のフレーズの時、必ず真ん中に力を込めて膨れるのも、耳障りだった。
双眼鏡でアルゲリッチの手元に焦点を合わせ、アルゲリッチに集中して聴く。
2曲目はラフマニノフ組曲第2番。
難しそうな曲。
2人がなかなか合わない。曲自体が、拍のなかをいろいろな連符で書かれているのかと思ったけど、改めて、他の人の演奏を聴くと、そうではない。整然としているではないか。あらあら。
フルコンを向かい合わせにして、向き合って演奏するのは、難しいだろうなあ、と思う。アルゲリッチとバレンボイムのデュオは隣り合わせのセッティングだった(Youtubeで。<追記>と思ったら勘違いでした。2台ではなく連弾でした。)。素晴らしく合致していたよ。セッティングのせいか。アルゲリッチの推進力と歌心について行くのが大変なのか。・・残念。この曲は難しそうだ、やはり。楽譜を手に入れてみようと思う。
休憩挟んで、
3曲目は、ルトスワフスキのパガニーニの主題による変奏曲。
お二人とも、パワー全開!!迫力があって、良かった。がんがん行く。
4曲目は、ラベルのマ・メール・ロア。これは連弾。
やはり、アルゲリッチのppのやさしさ。でも決してべたべたしない。さらっと、ふわっと、しずか。
1つ目が終わって、アルゲリッチがなにやら、海老さんに話している。そしたら、2つ目からは、サスティンペダルをアルゲリッチが踏んでいる。1つ目で気になった濁りがまったく無くなった。普通連弾の時、低音部を担当する2ndがペダルを担当するのだが。ペダリングも神業なのだ。
他の曲も足元を見ていると、ソフトペダルをかなり多用している。サスティンも細かく多用しているが、浅く踏んでいるようだ。私も、ソフトペダルを多用し、サスティンは細かく浅く踏む。一緒だ一緒だ!と喜ぶ。
アルゲリッチが協奏曲やデュオ・弦楽4重奏などを弾くとき、指揮者がいても指揮者を超えて全体を動かす場面がある。アルゲリッチの音楽のうねりがオケに伝わり、全体がアルゲリッチの音の動きに反応していく。
今回の海老さんとのデュオも、ここで初めてそれが機能したようだ。やはりピアノの位置的にキャッチしにくかったのか。
海老さんの音が変わった。すぐそばでアルゲリッチの徹底的に柔らかく且つ魂の込められたpp。そしてアルゲリッチの滑らかでパワフルな推進力に委ね始めた。そうでなくっちゃ!
最後は、2台ピアノに戻って、ラベルのラ・ヴァルス。
これこそ、揺れるワルツをどう合わせるかが聴きどころと思うが、素晴らしかった! 溜めと、水が岩の間をするすると流れていくような自然落下のエネルギー、見事でしたー。体が動く。ずっと涙が止まらない。
アンコールのバッハ。音楽の神に、ホール全体が感謝している。アルゲリッチはミューズ!
モーツアルトの連弾のD-dur。これも仲間と良く弾いたおなじみの曲。
軽快なアルゲリッチのタッチは、冴え冴えしている。海老さんのタッチもずいぶん変わったと感じる。
止まない拍手に迎えられ何度も、カーテンコール。最後はアルゲリッチも客席も、手を振って、名残惜しいが、客電が上がってしまった。
コンサートが終わって、静かな興奮に包まれた喜びの中、前のうちからは自転車で5分だった。久々のみなとみらいの海に行き、余韻を楽しんだ。熱帯夜の夜、少しの海風を楽しみに来たり、スズメやイソヒヨドリに会いに来たりした懐かしい場所。
海から桜木町まで、ゆっくり歩いて、帰った。
今も、まだ、感動は消えない。
アルゲリッチに会えてよかったー。
聴けて良かったー。
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